財布を落としてしまって中身を抜かれた話。

「今日の車掌の声クリスペプラーみたいだ!すげえ!(原文ママ)」

とツイートした時、僕は財布を落としていたらしい。

でも本当にクリスペプラーみたいだった。あんなFM感ある、「車掌」に縛られていない車掌は初めてだった。みんなにも聞いてほしかった。

 

バイト先に着いて、リュックが全開君だった時に財布がないことに気がついた。

急いで電車の忘れ物センターに電話したところ、僕の財布はあった。

「イエ〜〜〜イ!!!ヤッフ〜〜!」と思って、念のため財布の残高を聞いてみたところ

「956円ですね」とバカみたいな返答がきたもので小生仰天しました。

 

全ての金が抜かれていた。

 

僕は昨日口座から残高の全てを、おろしたばっかりだったのだ。

誰かが「財布の中身を抜くところ」を想像したら、とても切なくなった。よく分からないけど、抜いた人にも同情してしまった。くるぶしが割れたらいい。家族がすぐ治る風邪をひけばいい。

 

どれくらい切なかったかというと、母親の笑顔が頭に浮かんだくらい。

 

露骨に落ち込んでいると1人の職場のおばさんに「どうしたの?」と聞かれた。

「口座から残高の全てをおろしたばかりのお金が入った、財布を落とし、全ての中身を抜かれた」と話をしたら「いくら?」と聞かれた。

「9000円」と答えたら、

「数万円ならまだしも、9000円!?」

「てか全財産が9000円しかないの?」方向に話が進んでしまった。

 

僕は貯金もないし、毎月給料の20日前には手持ちが1万円を切るのが当たり前のことだったから、話の進み方が予想外すぎて誠に驚いた。

 

 

おばさんが「落合君財布無くしたんだって〜〜!」と周囲に広めだし

次々と「いくら無くしたの?」ラッシュが僕へと相次いだ。

 

「3万円ですね」と答えるようになっていた。

 

「3万はきついね〜〜〜」

「っすよね〜。タバコ1箱買うたびに、カートン6箱分無くしたのかよ〜とか思っちゃいますもん」

自分がついた嘘に、具体性を持たせるたび嫌な気持ちになった。

 

別に同情して欲しかった訳ではないのだが、「いくら抜かれたの?」と聞かれ

正直に「9000円」と答えると向こうからの「肩透かしなんですわ」を感じた。

 

全財産が「9000円」しかない奴にとって、「9000円」紛失するということは、「8万兆円」持ってる奴にとって「8万兆円」紛失するということ。

「3万円」無くしたと嘘吹く奴にとっての「9000円」は「70万円」みたいなとこあるから。

 

 

明日ガストで朝フレンチトーストするの楽しみにしてたのにな〜〜〜〜〜〜〜〜。