僕とエヴァンゲリオンとオナニー

高校3年生の夏。僕は悩んでいた。

それはエロいコンテンツをどうすれば見れるのだろう?という事だ。

僕は中学三年生の時、今でいうワンクリック詐欺に引っかかり、インターネットとは誠に恐ろしい所であると自らに叩き込んだ。

今思えば、ランダムに送られた迷惑メールが偶然自分の所に届き、それをクリックした事により7万を請求された訳であるが、当時の僕はそんな事を考える頭を持っている訳がなく、友人から送られてきた無料エロ動画を見たために、メールアドレスがバレ、天罰が下ったのだと推測した。

手元に1000円程しかない僕が7万円を払える訳がないので、これは母親に払ってもらおうという事で、「いやらしい動画を見てしまったため7万円を払わなくてはなりません。」と母親に告げ、「どうして払わなくてはならないの?」と聞かれては、インターネットとは誠に恐ろしい所であると自らに叩き込む次第であった。

それ以来その一連の流れの中の何かがトラウマになり、25歳の今の今まで無料エロ動画を見た事がない。

 

高3の僕がAVをレンタル出来る訳がない。そしていんたーねっとも怖い。

そうなると、せいぜいヤンマガ等の巻頭グラビア等が僕の限界ドライブであった。当然数ヶ月も経てばそのようなものに飽きてしまい、今度は動くものをみたいと思うようになった。かといって動画の入手は困難なので、どうしようかと頭を悩ませた結果、「では虎を出してください。」と言わんばかりに、とんちを働かせ、なんかの漫画雑誌の付録についていた巨大ポスターを床に広げた。そして全裸の私はそのポスターの上にうつ伏せになり、自分が動く事にしたのだ。

しかし、高3の阿保男子高校生の私でも、「これは間違っている」という事に気づきそのガチガチになったポスターをゴミ箱に捨てた。

 

夏休みになり、エッチが見たいな〜。と思いながら涼やかな部屋でゴロついていると、

テレビから、新世紀エヴァンゲリオンが流れていた。確かスペースシャワーTVだったと思う。

なんとなく見ていると、紫の髪の女性がとてもイヤらしい事をしていて、確か「そんなもの入らないわよ〜〜」的な事を言っていた(ような気がする)。

井戸から見た貞子のようにテレビを食い入るように見ていたのが最後の記憶で、

気づけば「ああ新性器ああ新性器」と言った感じで、一心不乱にママチャリでツタヤに向かっていた。アニメであれだけエッチだったのだから、漫画版はもっと厭らしいといった、いち100方式だと私は踏んだ。

「だったらいち100を買えよ」と思われる方もいると思うのですが、そんな勇気は僕にはありませんでした。ですが、エヴァンゲリオンなら買えます。何故なら表紙がエッチそうじゃないからです。

ツタヤについた僕は、手持ちの目一杯手前を使って、漫画エヴァンゲリオンの1巻から3巻までを買った。いきなりさっきのエッチなシーンを読みたいのは山々だったのだが、物語を楽しむために買ったのだと、自分やその他の誰かに向かって言い訳がしたく、しっかりと頭から読み始めた。

しかし待てど暮らせど、待てど暮らせどアニメのあのシーンは出てこなかった。

途中誰かの裸体シーンが出てきたが、それはエロをみせる事を目的としたシーンでないと感じた私には何も響かなかった。

そうゆえば先程のエッチなアニメは第何話だったのかと調べると、かなり後半である事が判明し、気がつけば私はまたツタヤへチャリを漕いでいた。

そして2日先までのお菓子代を犠牲に、4巻から7巻くらいまでを買った。

飛ばし飛ばしで買わないで、しっかりと4巻から買うのはあくまで「物語」を楽しむためである。

が、結局そのシーンは出てこず、そのままブックオフに売りに行き、明日分のお菓子代を取り戻したのだ。

 

あれから7年。25歳の今日

ブックオフで売っていたエヴァンゲリオン全巻セットを買った。物語を楽しむために。

俺は大人になったのだ!!!